いちご畑よ永遠に

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Maybe This Time - Sally Bowles from "Cabaret"

youtu.be

ミュージカル『キャバレー(Cabaret)』より。サリーのナンバー。

このブログで『キャバレー』を取り上げるのはこれが三回目になります。何故このミュージカルばかりに固執するのかというと、答えは簡単、大好きなのに日本での人気が全然無いからです。日本で公演してもあまり話題になってない気がするんですけど、私の気のせいでしょうか?私自身やってたことすら知らなくて観に行けなかったという…これは私じゃなくて宣伝部が悪い!(責任転換)とまあそれは冗談にしても、ちょくちょく日本語版が上演されているのは事実ですので、情報を掴んだ方は是非見に行ってみてください。そう、私にできるのはこうした啓蒙活動だけ…。

この曲はミュージカルの代表的なナンバーの一つです。元々はミュージカル用に作られた曲ではなかったものを、映画化する際に流用したとのことです。昔のミュージカルだとこういうことってたまーにありますね。『ジーザス・クライスト・スーパースター』の「ヘロデ王の歌」も原曲は普通のポップソングだったみたいですし。このMaybe This Timeはそのせいでミュージカル主題歌賞にノミネートできなかったのですが、実質的にミュージカルの「顔」とも言える曲だったみたいです。元々映画化の際に初めて使用されたためオリジナルの舞台版にはなかったはずのこの曲ですが、ブロードウェイのリバイバル版ではミュージカルナンバーとして披露されています。また、上に挙げた通りこのミュージカルの代表曲ということもあり、多くのアーティストにカバーされています。最近では一世を風靡したミュージカルドラマGleeでも歌われていました。これ、Wickedのオリジナルブロードウェイ版でグリンダを演じた女優さんによる歌唱(デュエットだけど)なので絶対見た方が良いやつですよ!文字通り最高なので。

しかしこの曲、単体で聞けばどん底から這い上がりこれからの未来への希望を託す曲として成立しますが、作品の流れを知った上で聴くと非常に苦しい気持ちにならざるを得ない苦い楽曲です。束の間の夢物語のような日々…リバイバル版でこの曲が歌われることは、単なるミュージカルの十八番ナンバーというだけでなく、その残酷さを増した演出の中で歌われることで大きな意義を産むんじゃないかということは主張しておきたいですね。









Maybe This Time

きっと今回こそは、うまくいく
きっとこの人は、一緒にいてくれる


きっと今回こそ
生まれて初めて
愛は逃げていかない


彼は私をかたく抱きしめて
そして私は遂に家庭の人となる
前回の彼との時や
もっと前の時のような
負け犬なんかにはもうならない


人は勝者を愛するから
私はこれまで誰からも愛されなかった
「穏やかなご婦人」「陽気なご婦人」
ずっとそんな人になりたかった
どうやら賭けに勝てるかもしれない
何かが始まろうとしている
夢が叶おうとしている
きっと今回こそ、勝てるはずー